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■2014年6月16日:タイでの歯科急患はこちら

歯の痛みというのは辛い。下手をすると腹痛などより数倍辛いことがある。
体の不具合と違って体が動かないことはないが、
集中力を阻害され作業に身が入らなくなる。

私はもともと顎が細く歯並びが悪いので、虫歯には気を付けろと
日本の医者からも言われていて、最初タイに赴任した当初、相当治療して
多大な出費をした
ので懲りて、それ以来最低でも年に一回は検診をしてもらっていた。

だいたい5月ごろを目安にしていたのだが、今年の5月は土曜の休みがなかったので、
伸びて6月に予約を入れてあった。

ところが、予約前週の土曜日、突如として歯痛に見舞われた。
それも仕事中に。
(ちなみにタイ語で”痛い”はチェッというが、歯痛の場合は(プア、痛み)(ファン、歯)という)

痛みは、完全に虫歯(ファンプッ)であり、昔高校生の頃学校で突然歯が痛くなったことがあり、
多分あの時の方が痛かったが、痛みの種類は同じだと思われた。
私は得意の分析能力をフル動員して、症状を把握しようとした。

今回の場合、痛みには波があり、食事をすると確実に痛むが、
痛みは5〜10分程度しか持続しない。
痛む箇所は左側の奥だが、上だか下だかは確信が持てなかった。
歯磨きをすれば収まるかと考えたが、収まらなかった。
しかし歯磨き粉をまぶすといくらか楽になった。
また、飲み物で異変は感じないが、コーヒーを飲むとやはり楽になるような気がした。

ノートPCの修理の件で勢い込み過ぎたか、腹を立てたあまり神経が高ぶったかのどちらかか。
いじめすぎて罰が当たったという見方もあるが。

この日はとりあえず夜までなんとか凌ぎ、私は以前「知覚過敏」というヤツも経験しているので、
気のせいかもしれず、一晩寝て感覚を遮断すれば痛みは消えるかと考えたのだが、甘かった。
夜中の4時に激痛がして目が覚めてしまった。
まるで顔の左半分が麻痺したかのようだった。
しかし一方で、のたうち回るほどでは無く、やはり10分ほどすると痛みが引いたので、また寝てしまった。

7時に起きて、朝食にスターバックスのサンドイッチを食べた。
痛い。

予約をしてある恵歯科医は日曜日は休みだし、
月曜日になってから早退するのは格好悪い。
会社を休みたくはないし、かといってこのままでは集中力に支障が出る。

日本だと、殆どの病院は日曜は休みだ。
しかし、タイの外国人相手の総合病院は日曜でも営業している。

そこで、インターネットで調べてみた。
まずは近場のサミティベート病院だ。websiteを見ると完全予約制などと書いてあり、
2年前にもその真剣度の低さで迷惑を蒙ったのだが、ともかくも日曜もやっているらしいので、
電話して問い合わせてみた。
それによると、

「予約制なのでなんというか、正規の治療は受けられないのですが、
普通に順番に並んでいただければ、症状の診断や簡単な治療などの診察は受けられます」

何が言いたいのか良く分からない。症状の診断と簡単な治療など受けても意味がないではないか。
応急処置ということか?

続いて2年前に助けられたバムルンラード病院
こちらのwebsiteには治療室11室などと気を引くようなことが書いてある。
電話をして急患だと告げると、電話を受けてくれた女性は、やはり予約制なのだが、
さっと緊張度が増した口調になり、少々お待ちください、と言って調べてくれた。
すると、10時にキャンセルが出て空きがあるので来られますか?とのこと。

この時8:30。
この日はHP Pavilion 14-n201AXを取りに行かなければならなかったのだが、
病気には代えられないし、治療に1日掛かるわけではないだろう。

私は行く旨を告げた。
治療室の多さからも分かるように、バムルンラードはサミティベートよりも大きい。
休日に裁ける患者の数も多いのだろう。

なおこの日(6/8)のタイ・バーツは1THB = 約3.156円。

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クリックして拡大 プルンチット駅を降りたところ。
チャルム マハー ナコーン線の
高架下。ここもいずれ渋谷駅の
ようになるのだろうか。
バムルンラード病院に電車(BTS)
で行くとしたら、Phloen Chitで降りる
のがコツだ。しばらく前からBTSは
値上がりしたのは許せるとして、
端数料金を何とかしてほしい。
バムルンラード病院は
スクンビットのソイ(通り)1と3の
間にあるのだが、
NANA駅で降りると通りを渡って
かなり歩かなければならない。
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プルンチットの交差点の地上線の
線路。電車が来たら避けるのだ。
この交差点の向こうがスクンビット
ソイ1だが、信号のない歩道など
どうやって渡ればいいのか?
と要らんことをを考えていると、
警察官が済まして車の往来を
縫って渡っていたので、マネをした。
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これが上記の踏切を渡って左折し
入った通りで、スクンビット 1。
この道を少し真っ直ぐ行けば、
バムルンラードの
看板が見えてくる。
ここは車の出入り口で、
ゲートをくぐってまだ少し歩く。
左写真を道なりに行くとここに出る。
これが南館(電話の係員は本館と
言ったが)で、歯科はここの3Fだ。
この背後にも建物があり、繋がって
いるのでどちらから入っても
エレベーターを使えば歯科に
辿り着く。
3Fで降りる。吊り看板を
見ない限り、1Fにも3Fにも歯科の
表示はないので注意。ちなみに
歯科はタイ語で
(タンタカム)だが、通じにくいので
(モー、医者)(ファン、歯)
=歯医者と言った方が良い。

さて受付に辿り着き痛ぇよ痛ぇよと喚いていると、時間通りに医者に通してくれた。
通訳は要るか、と訊かれ最近医学だの科学だの学問方面のタイ語が錆び付いていた私は、要ると答えた。
しかし日本人が常駐しているサミティベートと異なり、ここのはタイ人のおばちゃん通訳だ。
このタイ人の通訳というヤツは曲者である。彼らは、分からない言葉を飛ばして訳すことがあるので注意が必要だ。
さらに、通訳を希望したにも関わらず、そいつの到着は最初の診療に間に合わなかった。

歯科医は初老の医師で、あちこち突いたり叩いたりしたが、私もそれだけでは痛みが無く、虫歯ではないという。
英語とタイ語が混ざった話しぶりで良く分からなかったのだが、噛み合わせがどうのこうのと言って少々歯を削っていた。
私は脳髄に(ヌア、歯茎)という言葉が表示されたような気がし、それを口にした。
医師はそうだ、そうだというようにしきりにうなずいた。
ここぞというとき、人間の脳は普段想像もできないような働きをするものである。

2Fに下りレントゲンまで撮ったが、虫歯は無いと言われた。
さらに驚いたことにレントゲン課の待合室で、予約している歯科の先生に遇った。
私が事情を話すと、彼女に歯茎ですか?と訊かれたが、
まだ原因ははっきりしていないが、とりあえずこの週末は予定通り行くと告げた。
女医はお大事にと言った。

レントゲンを撮り終ると、ようやく通訳が医師と並んで待っていた。
まるで一回棺桶に入ってまた蓋を開けて出てきたかのような老婆だった。
目を閉じているのか眠っているのか分からなかったので、私は思わず眼鏡を外して老婆の顔をよくよく見てしまった。
彼女は患者に麻酔でも使いましたか、と医師に訊いた。
老婆は私の病状を「歯茎の病気です」と言った。私は(ラムマナート、歯槽膿漏)かと訊いた。
もはや、レーダーに指示されたミサイルのようにタイ語がポンポン出てきた。
歯科医にタイ語がお上手ですね、と言われた。
うるせえよ。

なるほど、歯磨き粉は塩が入っているから歯槽膿漏に効果があるし、コーヒーで痛みが引いたように感じるのもうなずける。
(コーヒーは刺激物なのでかえって悪いのでは、と思うかもしれないが、カフェインには鎮静効果があるのだ)
歯間ブラシでの掃除も、つい滞りがちになっていた。

さてこの歯科医は、歯槽膿漏の専門医がいて、
13:30にやはりその医師の予約にキャンセルが出ているので、受診してはどうかと勧めてきた。
私はそれは今日直ることなのか?と訊いた。
医師はいや、何回か通うことになるだろうと言った。通常は3か月に1回。
当然だろう。
しかし言わなかったが私はノートを受け取りに行かなければならない。
素早く計算して、まあノートを引き取りに行く店は早くても17:00とかに閉まることはないだろうと考えた。

そこで、私としては今日治療を受けて直ぐにでも効果が表れるのなら受診したいが、週末に別の歯科医で
検診を控えていることだし、そちらでも歯槽膿漏の治療は受けられるから、どうなんですか?と訊いた。
あとパラセタモールなんかは痛みを緩和できないかどうか訊いた。

医師はまず、パラセタモールの効果は0ではないだろうと言った。
病院についてはどちらを選択してもいいだろうと言った。
私は例えば今日はもうとにかく痛いし仕事に影響が出るようだと困るので、何がしかの効果でもあるのなら受けたいが、
2回目以降は近い方の病院で受けたい、と言った。

すると医師はやや機嫌を損ねたようで、
いや、治療は最初から最後まで決まった病院で受けなければならない、と断言した。
私はそれは商売の都合の話であって、治療に於いてそんなことがあるわけないと考えた。
(多少費用がかさむにしても)そんなものは、こちらの自由だ。

というわけで医師が気分を害さないうちに、私は午後の診察を受けることを決め、
2時間半時間が空くので、食事をしても良いかと訊いた。
ここに至って存在を忘れていた通訳が、一回黄泉の国に行ってまた戻ってきたかのように
もちろん大丈夫ですよ、と口出しした。

歯だか歯茎だか知らないが、何らかの異常があるのだとすれば、治療すれば完治はせずとも
進行を遅らせる効果は期待できるだろう。
傷口に消毒液を塗っても直ぐには治らないが、悪化を抑えられるのと同じことだ。

ここまでの治療費は、1,325THB。会社が入れてくれている保険は使えないと言われた。
医師に色々歯をいじられてまた歯が疼き出した。やはり10分程度で収まったが、
支払いの際に痛みますか、と訊かれた。
痛ぇよ・・・
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この病院には茶店が何軒も入っている。スターバックスは
先の写真のビルの1Fにもあるが、1Fだから混んでいる。
歯科が入っているビルのはす向かいの、上写真の建物の中にある
店舗の方が、落ち着いている。
こちらが左のビルの10Fにある
スターバックス。
広いし、本屋が真ん前にある
(日本語書籍はない)。
クリックして拡大 クリックして拡大 鯉まで泳いでいる。
吹き抜けになっており、
大変気持ちの良い空間だ。
写真は10Fのロビー。
ここは総合受付になっており、10Fだけに静かで心安らぐ空間だ。
が、タイの施設の常で相当エアコンが効いているので、長袖は必須だ。


午後になって、13:30を少し過ぎてから歯槽膿漏の治療が始まった。
やはり初老の医師で、私の口を見て(ヌア、歯茎)(アクセー、炎症、炎症を起こしている)と
丁寧語で言った。
彼は電動式の機器を使わず、ひたすらマニュアルで削ってきたので、かなり痛みを伴った。
恵歯科医の方が丁寧だ。
見えなくても自分の口の周りが血だらけになっているのが分かった。

削るのが終わると、薬品の塗布が行われた。
私は気分が休まるのを感じた。何という幸福感だ。

処置が終わって、医師は
・寝る5分前に歯を磨くこと
・タバコを吸い過ぎないこと
と言った。

お勧めの歯ブラシの銘柄まで書いて渡されたが、そんな数百バーツもする代物を買うつもりはなかった。
歯ブラシにそんな金額を掛けるのは無しだ。

後半の治療費は3,210THBだった。
くどいようだが恵歯科医なら歯槽膿漏の治療だけなら1,000THBで済む。
背に腹は代えられない。
この場で3か月後の予約もしておきますかと訊かれたが、
そんな先の予約はできないと断って予約してこなかった。

治療後、夕食時もやはりまだ痛んだが、
治療を受ける前ほどではなかった。
なんとかこの晩は眠れそうだった。

最初の2日は食事の際、無茶苦茶染みたが、4日目にもなると、だいぶ楽になってきた。


治療が終わって14時過ぎにパンティップ・プラザに向かった。
病院のタクシー乗り場で待機している運ちゃんには200THBだと言われ、
それは無視して病院の外に出てタクシーを捕まえた。
自宅から乗って100THBにも達しないのに、それより近いところから乗って
もっと高くなるというのは筋が通らない。
行きたくなければ行ってくれなくてもよろしい。

後で捕まえたタクシーは、ニュー・ペップリー通りを直行せずに
妙な脇道をうねうね通っていたが、携帯電話の地図ソフトで確認すると、方向は合っているので黙っていた。
結果として70THBにも達しない金額で15時前にはパンティップに着いた。

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海外に在住していると、医療費は何かと高く付く。日本の健康保険が利かないからだ。特に歯科治療費の場合、海外傷病保険も適用対象外となる。 タイの場合、タイ国民用の健康保険は ”何処か任意に病院を1ヵ所決めて、そこに掛かる範囲なら治療費無料” という仕組みの健康保険があり、勤務先の企業によっては日本人でも入手可能な場合がある。私にもそれは支給されているのだが、指定の病院は会社の近所のへっぽこ(失礼!)地元医院であり、混んでいて日本語も通じない。 そこで、どうせなら日本語も通じてバンコク市内の通院に便利な病院に掛かりたい。という場合、費用は自己負担となるのだが、一部を日本の健康保険協会に請求する方法はある。■2010年12月10日:海外療養費<歯科>の申請方法



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