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■2019年7月23日:十字軍物語

クリックして拡大  原題:タイトルと同題 (1972年日本、中央公論社)
 著者:塩野七生/1937- 日本生
 新潮文庫版初版:2019年1月1日〜2月1日
 初版時価格 一〜三巻: 710円 / 四巻: 590円
 巻数: 4巻
 品番: し12-98〜101
 管理人読了日: 2019年6月30日
 映画化:未
 映画題名:
 映画主演俳優・女優:
 
 日本語DVD化:−
 

満を持して登場した塩野七生の十字軍物語 文庫版。
私はキリスト教など興味もないし何の親近感も持たないのだが、
軍事アクションとして、西側諸国である日本に生まれた男児なら、
関心のない人はいないだろう。

何気なく新潮社のサイトを見ていた際に、
今年の2月に刊行されたとのことで、
タイにおける日本語書籍の有名店に行って買ってきた。
この国でも、新潮社の本は比較的手に入るのだ。

現代では暴力的な手段に訴えているのはイスラム教徒の方だが、
中世には、キリスト教徒が遠征した先の中東で虐殺を行った。

現代は、それが逆転しているだけだ。

前にも書いたが、この人たちの信ずる宗教が一神教である限り、
彼らは永遠にイタチごっこを続けるだろう。
人類が滅亡するまで。


私には、この時代のキリスト教など、単なる結社にしか思えない。
法王を頂点とするヒエラルキーの組織だ。

失敗した十字軍でも、聖職者が率いていた場合、
聖職者は責任を問われない。

なぜなら、失敗したのは神への信仰が足りなかったからであり、
聖職者は神の使いだから、その人を罰するわけにはいかないのだ。

この時代のキリスト教の法王は、自分たちの都合で信者や王を破門した。
聖職者の感情で出たり入ったりする宗教など、
何が悲しくて宗教と呼ぶのか。


十字軍の話としてよく聞くのは、キリスト教徒側とイスラム側の
どちらが良い悪いという議論だが、
塩野七生の常のスタンスで、この本にはどこにもそんなことは書いていない。

ただ、それでもこの本を読んで、やっぱり中世のフランス人というのはダメだなあ(笑
という考えを新たにした。

そして、サラディンが紳士であった話は有名だが、
意外にも狂信の度合いが高かったのはキリスト教会側の方で、
最終的にアッコンのキリスト教徒が地中海に追い落とされたとき、
イスラム教徒の側の主役はマムルーク朝だったのだが、
この人たちは奴隷出身だから学がなかったという点。

結局のところ、学があるからこそ理性ある行動が取れるのであって、
狂信に走るのは勢いだけで教養のない人なのだ。

そう考えていくと、現代のテロリスト達は、学のない人、ということになる。
歴史を知ったればこそ、人類の先達の過去の過ちを学ぶものなのだ。


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