■2020年11月19日:狙撃手のゲーム
原題:GAME OF SNIPERS (2019年アメリカ) | |
著者:スティーヴン・ハンター Stephen Hunter/1946- アメリカ生 |
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文庫初版:2019年9月10日 扶桑社ミステリー | |
第2刷時価格: 上下巻とも980円 | |
巻数:上下巻 | |
品番:ハ19-35,36 | |
管理人読了日:2019年5月1日 | |
映画化:未 | |
映画題名:未 | |
映画主演俳優・女優:ー | |
日本語DVD化:ー |
これだけ楽しめたハンター小説は久しぶりだ。
特に前半は展開が気になり、上巻は文字通りノン・ストップだった。
何か買い物をしたときに、つまらなくて金を返せ、という思いになることがある。
しかし、私は小説に関しては、たとえ面白くなくてもそういう気になったことはない。
それを読む間、時間を消費することはできたからだ。
ハンター作品はここ数冊、ちょっとそういうことが続いたのだが、
今作でその想いは払拭された。
ジューバという名のイラク人スナイパーが存在する、
という話は以前からまことしやかに囁かれていた。
実在するかどうかは別として、噂として存在した。
映画に取り上げられたこともある。
本作はその話を題材として、よくある話、
ジューバがアメリカ本土に上陸する。
例によって既に高齢のボブは、
いつものように自宅玄関前のポーチに座っていて、
雄大な景色を眺めていたところ、
その話をある人物から持ち込まれる。
本作の憎いところは、そのスナイパーの標的が、
ほぼ最後まで分からないところだ。
中盤、もうそろそろジューバは捕まるのではないか?
いい加減、追い込まれていいだろう、というところで、
ふとページ数を見ると、まだ半ばほども残っている。
従って、ジューバも追撃の手をさらりと交わすという寸法だ。
熟練の作家ならではの技だ。
ところで、本作でボブもそろそろ本当に引退だな、
という感を新たにした。
息子もいい歳だし、次こそ彼の出番なのではないだろうか。
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