■2020年4月21日:暗殺者の追跡
原題:MISSION CRITICAL (2019年アメリカ) | |
著者:マーク・グリーニー Mark Greaney/- アメリカ生 |
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文庫初版:2019年8月25日 ハヤカワ文庫 | |
初版時価格: 860円(上下巻とも) | |
巻数:上下巻 | |
品番:NVク21-11,12 | |
管理人読了日:2020年4月18日 | |
映画化:未 | |
映画題名:− | |
映画主演俳優・女優: | |
日本語DVD化: |
本書は、上下巻で合わせて800ページあるが、
500ページくらいまでは、多分、読み終わったころに
”つまらない”と感じる小説だろうと思っていた。
グリーニーも8作目ではさすがに減速か、と思ったものである。
但し、読み終わるまで結末は分からないので、
とにかく最後まで読んだ。
要するに、そういうことなのである。
グリーニーは、読者に最後まで作品を読ませるだけの実力を持つ作家だ。
本書は、確かに細かいところはプロットの出来も悪く、無理がある。
しかし、上述のように、「読書」として暇なのかそうではないのかは別として、
有意義な時間を消化する、という初期の目的は達している。
まして、コロナの惨禍に見舞われ、外出できず暇を持て余していた
私にとっては、大変ありがたいものとなった。
生物兵器は、この手の小説にはよく出てくるネタだ。
本書は2019年の刊行なので、著者がコロナを予見していたとは言えない・・・
が、ネタとしてはタイミング良かったといえるだろう。
そして、ザック・ハイタワー。
私は彼をこよなく愛する、と英文で書きたくなるくらい
純粋で、素晴らしいキャラクターだ。
私の意見では、イヴァノヴィッチの小説に登場する、
サリー・スウィートに匹敵する。
彼が登場するシーンは、笑いを誘われずには読めない。
8作目となり、まだまだ読ませる作品を書けることを実証したグリーニーだが、
次回作は何がどうなるのか、余計な心配をしてしまう。
連作ミステリーの欠点は、いつかはいずれかの登場人物を
犠牲にしなければならなくなることだ。
どうでもいいが、本作のあとがきを書いた人間は、バカだと思う。
何者か知らないが、どこかで物語に登場するのと同じ口径の銃を
”撃ったことがある”などとのたまう輩は、日本人の恥だ。
こんな奴にジェイソン・ボーンを語ってほしくない。
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