■2021年12月17日:テロ資金根絶作戦
原題:GREED (2003年イギリス) | |
著者:クリス・ライアン Chris Ryan/1961- イギリス生 |
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文庫初版:2005年7月31日 ハヤカワ文庫 | |
初版時価格: 860円 | |
巻数:単巻 | |
品番:NVラ7-8 | |
管理人読了日:2006年6月26日 | |
映画化:未 | |
映画題名:− | |
映画主演俳優・女優:− |
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日本語DVD化:− |
15年ぶりに再読した。
多分、その間、通して読んだことはなかったと思う。
「ジョーディ・シャープ」シリーズの後の3巻は、
あまり面白くなかったので期待していなかったところ、
本作でクリス・ライアンの評価を再認識したことは覚えていたので、
楽しみに読んだのだが、いやあ、やはり面白いの一言。
訳者である伏見威蕃も、今はマーク・グリーニーの作品を翻訳している。
本書の主人公、マット・ブラウニングは次作「抹殺部隊インクレメント」にも登場し、
本書に登場するアルカイダのテロリストの作戦や行動など、
ヨーロッパに来たばかりのテロリストが事情に通じすぎだろう、
と思われる不自然なところはあるものの、
兵士上がりのライアンが書くだけに、迫真のプロットが続く。
種明かしに近くなってしまうが、ライアンの作品の、
日本での出版社が変わった「孤高のSAS戦士」以前の作品に登場する
紅一点は、50%くらいの確率で主人公を裏切る。
しかし、結末を覚えていると、気が付かないのが焦れるくらい
主人公は鈍感なのだが、作中で描かれる女性が、
鮮やかすぎるほどセクシーなのだ。
一晩で関係を持った女性など、信用できるわけがないのに。
あらすじに少し触れると、本書が刊行された2003年当時は、
登場してまだ鮮烈さが残っている、アルカイダが本書の敵役が所属する組織で、
主人公マット・ブラウニングをはじめとするチームのメンバーは、
タイトルにあるように、MI5(英国の国内保安を担当する情報機関)の指示で、
彼らの資金を強奪することで損害を与える任務に就く。
当時、スマートフォンはまだなく、登場人物たちは、
折りたたみ式の携帯電話を使用している。
この辺も、”時代”を感じさせる作品で、懐かしさがこみ上げる。
マットは、モデムでインターネットに接続している。
あの時代には、既にブロード・バンド接続があったはずだが、
スペインの事情は分からない。
前述のように作戦には多くの困難が立ちふさがるのだが、
最初からテンポよく進むため、こっちも中途で切り上げるのが困難なほどだ。
マット他メンバーが、いかにして危機を克服するのか、読んでのお楽しみ。
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