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■2011年11月25日:AMD FX-4110/GIGABYTE 970A-D3 Review

タイは11月でも晴れてて外は余裕で30℃以上ありそうな雰囲気。
こんなくそ暑い日にはプール(部屋のすぐ外なのだが)で泳ぎたくなるが、
連日の残業で風邪をひいていたので、久しぶりの土日連休はAMD FXを組んでやることにした。

CPUはここで買ったの
マザーとメモリはここ
グラボはコレ
前のCPUと電源はコレ
前のマザーボード・・・1年以上使ってたのか・・・はコレコレ


今回は新造ではなく組み換えである。変更した内容は以下の通り。
変更したパーツの背景を黄色く塗っておいた。
なお11月中旬のタイバーツは1THB = 約2.55円である。
シンガポール・ドルについては、前述のリンクを参照されたい。

Before

3DMark06のスコア:18468 / 3DMark11のスコア:P4005
カテゴリ メーカー モ デ ル 詳   細 価 格
CPU AMD Phenom II X4 965 Deneb core SocketAM3 3.4G/L2=512Kx4/L3=6M/125W 5,500THB
メモリ G.SKILL F3-10666CL9D-4GBNQ
PC-10600(DDR3-1333(1600で駆動)) CL=9 4MB
2GBx2 Dual Channel 3,300THB
マザーボード ASUS M4A88TD-V EVO/USB3 AMD 880G+SB850 4,190THB
ビデオカード PowerColor AX6870 1GBD5-2DH Radeon HD 6870/1GB GDDR5 7,950THB
HDD Western Digital WD Caviar Black WD5001AALS SATAII 7200RPM 500GB/32MB 2,000THB
電源 SCYTHE SCPCR-600-P 超力 600W 3,300THB
OS Microsoft Windows 7 Home Premium x64 Edition 23,436JPY


After

3DMark06のスコア:15514 / 3DMark11のスコア:P4073
カテゴリ メーカー モ デ ル 詳   細 価 格
CPU AMD FX-4100 Zambezi core SocketAM3+ 3.6G/L2=1Mx4/L3=8M/95W
4.2(OC)GHzで動作
170SGD
メモリ Corsair CMZ8GX3M2A1600C9R
PC-12800(DDR3-1600(1333で駆動)) CL=9 8MB
4GBx2 Dual Channel 2,700THB
マザーボード GIGABYTE 970A-D3 AMD 970+SB950 3,100THB
ビデオカード PowerColor AX6870 1GBD5-2DH Radeon HD 6870/1GB GDDR5 7,950THB
HDD Seagate Barracuda 7200.12 ST31000524AS SATAIII 7200RPM 1TB/32MB 3,150THB
電源 SCYTHE SCPCR-600-P 超力 600W 3,300THB
OS Microsoft Windows 7 Home Premium x64 Edition 23,436JPY


まずFX-4100だが、やはりいきなりマザーに乗せたところで、電源は入るもののPOSTすら表示されない。
そこでとりあえずPhenom II 965をぶちかまして起動し、予めBIOSデータをUSBメモリにコピーして、
BIOSメニューに表示されるユーティリティ、「Q-Flash」を起動してBIOSの更新を行った。
この作業は何の問題もなくRev.F7にアップデート完了し、無事FX-4100が認識された。

しかしここで問題が発生。今回元のマザーからPhenom II 965を引っこ抜く際のクーラーとCPU同時剥がし
防止するため、予めゲーム(BfME)を走らせてから行ったので、外すのは上手くいったのだが、
今度は新しいマザーに挿す際にクーラーのFANケーブルを挿すのを忘れており、BIOS更新後外す時に
クーラーのヒートシンクが異様に熱いな、とは感じたもののそのまま外してしまい、CPUも外しにかかったのだが、
熱くてCPUを持つ手を放してしまった。やってしまった。CPUは
ガッ!
という鈍い音ともに近くの四角いコンデンサにぶち当たり、盛大に足が曲がった。
Phenom II 965の足はルーペで見ながらピンセットを使って慎重に元通りに直し、
マザーのソケットに挿さるところまでは確認したが、また抜けなくなると困るので、通電確認まではしていないw

※一回足を曲げてしまったCPUは、足の曲がりを直してからソケットに嵌めても、一見嵌ったように見えて
 足が垂直に曲がった状態でそのままソケットに差さっている場合があるので、脱着確認は行った方が良い。

次にメモリーだが、Corsairの大げさなメモリはDDR3-1333でとしか認識されなかった。
挿すスロットを変えたり、BIOSから手動で1600に設定してもダメだった。
M4A88TD-V EVOで1600として使用していたG.SKILLのメモリを持ってきたが、
これもDDR3-1333にしかならなかった。
ここで強者なら電圧設定など行うのだろうが、私はそんなことはしない。
何故なら”DDR3-1600”として売っているメモリを普通にマザーに挿して定格で動かないのに、
ああだこうだ設定をいじくるのはおかしいではないか。
Corsairのメモリは前にもまともに動かなかったことがあり、これでさらに不信感が増した。

クリックして拡大 メモリのオーバー・クロックを行うと、
左写真のようなメッセージが現れ、
起動しなくなってしまう。
ところでメモリーは何処のスロットに挿しても
例え1枚であっても、おかしなことにCPU-Zでは
Dual認識された。

さて、お待ちかねCPUのクロックアップだが、BIOSにて倍率変更のみ行った。

5.0GHz: 起動せず。元々電源「SCPCR-600-P 超力」はCPUがオーバーヒートしてもそのまま突っ走るような
      電源ではないことを知っていたので、いきなり5GHzの大台でスタートしたのだが
      流石に無理だったようだ。このままでは再起動しないので、CMOSクリアを行った。
4.5GHz: W7起動せず。BIOSには入れるのでCMOSクリアは不要だった。
4.4GHz: 当初普通にW7が起動したが、そのあとコピーやらインストールやらを繰り返している間に、
      画面にノイズが走りブルーバック・エラー発生。
4.2GHz: 安全をとって4.2GHzに。これで3D MARKの類も全て完走、安定動作している。

後日FX-4170というモデルナンバーで4.2GHzのモデルが登場するらしいが、同じものなのではないかという気がしてきた。
少なくとも、仮に4.2GHzだとしても、これと同じ性能でしかないわけだ。

CPUはBIOSメニューに”CPU Unlock”という項目があり、これをEnableにしてみたが何も変化は無かった。
同項目はEnable/Disableの切り替えのみで、Unlockしたから何番目のコアをどうこう、
というようなメニューは何もなかった。

4.2GHzにクロック・アップ後のCPU-Zの画面。
CPU coreは"Bulldozer"で"
FX-4110"との表示が。
TDPは130Wに(驚


<性能>

まずはくだらないWindows 7のWindows エクスペリエンス インデックスの評価点から。

Befor <Phenom II X4 965 3.4GHz/DDR3-1333 4GB/880G/RD HD 6850>
After <FX-4100 4.2GHz/DDR3-1333 8GB/970/RD HD 6850>
クリックして拡大 クリックして拡大

CPUのスコアは僅かに減っているが、もちろんこの数値はただの目安であり、何の参考にもならない。

次に3D MARKのスコアを見てみよう。

3D MARK 11
CPU MEMORY SCORE 考     察
4.2GHz 8GB 4073 3D MARK 11のスコアは、CPUクロックよりもメモリ量が効いてくる結果となった。
どうやら新世代のゲームではメモリが重視されるらしい。そういえば、
今回FXもファイルのコピーやら削除を行っている間、All CPU Meterによると、
2GB以上のメモリを使いに行っていた。
4.2GHz 4GB 3832
3.6GHz 8GB 3940
3.6GHz 4GB 3867
3D MARK 06
CPU MEMORY SCORE 考     察
4.2GHz 8GB 15514 3D MARK 06のスコアはほぼ順当な結果となった。但し3.6GHz時にはメモリ量が
多いと逆にスコアが下がっている。これはメモリの”積みすぎ”現象だろう
(CPUがメモリを活かし切れないので、メモリが多すぎることが
かえって負荷になっている)。
4.2GHz 4GB 15089
3.6GHz 8GB 14810
3.6GHz 4GB 14995

<3D MARK 06 SCOREの総合結果はこちら
<3D MARK 11 SCOREの総合結果はこちら

3D MARKのスコアはv11のみ4.2GHz/8GBでようやくFX-4100がPhenom II X4 965を上回った。
8GBものメモリを実際使うのかどうかは疑問だが。v06ではFX-4100がボロ負けである。
v06は従来型のアプリケーションであり、マルチコアの性能判断に限界があるのだろう。
対してv11は最新のベンチマーク・ソフトであり、FXもこの辺を視野に入れているはずだ。
要するにDirectX 11に対しては有利ということだ。
私はSandraだのPC MARKだのといったテストまではやらない。そんなことをして何になる?
時間の無駄だ。まあどちらもメジャーで大変参考になるベンチマークなのだが、
要は自分が分かれば良いのである。そしてその私が選んだのが3D MARKというわけだ。
それが仕事ならともかく、社会人で妻帯者は他にもやることがあるのだ。

FX-4100を実際に使ってみて、Phenom II X4 965との差は見出しにくい。
起動も終了もAdobeのPhoto Shopも押し並べて早くなったが、
それは間違いなくOS再インストールの成果である。1年くらいPCを使用していて、
”もっさりしてきた”と感じたとき、差し当たってOSをインストールしなおせば良いのだ。
たいていの場合はそれで体感速度は回復するだろう。
それ以外のケースでは、微妙に965の時より反応が遅いかな? いや、気のせいかな?という程度だった。

ところが、AdobeのPhoto Shopを開いて画像をドサドサッと落とすと、遅いのなんのって。
私のPhoto Shopはv8と古いので断言はできないが、Phenom IIシリーズとの差は歴然としていた。

動画の圧縮はスピードの差は良く分からないが、仕上がりは同じビットレートでもFXの方が滑らかなような気がした。


クリックして拡大 クリックして拡大
HDDの中身をコピー中の愛機。そういえば、今回問題児である電源の騒音
が一切聞こえないことに気付いた。FXはクロック・アップして130Wに
なっていたから、CPUの差だとは思えない。HDDを疑うのも馬鹿げている。
だとするとマザーボードなのだろうか?
最新CPUだけあって「Microsoft Security Essentials」も自動更新で
インストールされた。早速HDDのコピー中にちゃっかりスパムを
見つけてくれた(笑 というかそれまで使っていたやはり無料の
「gred AV アクセラレータ」は何だったのだろう?(w


<まとめ>

FX-4100は600MHzもクロックアップした挙句、
やっと3D MARK 11のみPhenom II X4 965に肩を並べる成績を出した。
これはFXがコアあたりの消費電力を極力抑えて、
メニー・コア化し易くした設計であることを裏付けるものだ。

一部ではAMD FXを”AMD版NetBurst”などと揶揄する向きもあり、
様々なベンチマークの結果を元にしたレビューでは期待外れみたいな評価をされているが、
何を勘違いしてるのだろうかと思う。価格を見れば性能は予想通りだ。
世間にはそれこそ何種類もベンチマークソフトが溢れているが、それに踊らされてはいけない。
最も公正な性能を表す指標は、”値段”だ。
FX-4100は9,800円であり、11,000円前後のPhenom II X4 965には性能で劣るのである。
(ちなみにタイでは965はだいたい4,200〜4,700THBくらいである。
1THB = 約2.55円で計算すれば、10,700〜12,000円というところだ)
鳴り物入りで登場したFX-8150はともかく、FX-4100に付けられたこの値段は妥当なものだろう。

それ以上の性能が欲しければ、Core iなんとかでも買えばいいのである。
私に言わせれば、「ああ、早いね」と言いたいがためにCPUだけで2万も3万も
出費するのは金の無駄だ。

FX-4100のベンチマークの結果は、8コアレベルになれば、今後登場するであろう3D機能を多用した
アプリケーションに対しては、間違いなく現行のStarsコア系のCPUよりも高性能であることを示している。
後は、数ある現行アプリケーションとの折り合いをどう付けるかは、個人の判断である。
AMDは先を見すぎたのである。

私としては「Microsoft Security Essentials」も入り、予想外の好影響で
電源も静音化したことだし、しばらくはこれで使ってみようかと考えている。

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カテゴリ:PCパーツ・自作



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