■2017年2月20日：地獄島の要塞

	原題：NIGHT JUDGEMENT AT SINOS(1970年イギリス)
	著者：ジャック・ヒギンズ 　　　　　Jack Higgins/1929- イギリス生
	文庫初版：1974年8月30日　ハヤカワ文庫
	1991年6月30日第13刷時価格：560円
	巻数：単巻
	品番：NVヒ1-3
	管理人読了日：2000年11月11日
	映画化：未
	映画題名：−
	映画主演俳優・女優：
	日本語DVD化：

またしてもヒギンズの作品だ。
記憶のみで紹介する。

元英国海兵隊（Royal Marines）隊員のサヴェージは、
エーゲ海で潜水夫をしていた。
エーゲ海というと、古代ローマやオスマン朝時代の沈船等、
お宝がたんまり眠っているのだ。

あるときサヴェージは、そこでエジプトの依頼でミラージュ�V（フランスの戦闘機）が
眠っているのを発見する。
ミラージュといえばイスラエルがそれをコピー・発展させたクフィールがあり、
当時シナイ戦争の真っただ中であったエジプトからすれば、
喉から手が出るほど貴重なお宝だった。

それでサヴェージはそれを引き上げることを考えるが、
当然そこには様々な陰謀・謀略があり、登場するヒロインにも、
ヒギンズ作品の例（�@�A）によって騙される始末。
（余談だがヒギンズ作品は登場するヒロインが裏切るか裏切らないか
考えながら読むのもまた一興である）
しかし、海から上がったところで、ボートに黒いビキニの美女が立っていようものなら、
男なら誰でも騙されるだろう。

数々の危機に晒されるサヴェージだが、彼には頼もしい仲間がいた。
トルコ人の同業者、カシムだ。彼には立派な息子もいた。
彼らの助けを借りて、サヴェージは何とか窮地を切り抜け陰謀を暴くが、
最後に残ったのはやはり女など信用するべきではない、
という哀愁だけだった。

本書は世界の暗部で生きる中年男の、孤独なニヒリズムの代表作だ。

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