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■2019年9月16日:謀殺海域

クリックして拡大  原題:A FINE NIGHT FOR DYING (1969年 イギリス)
 著者:ジャック・ヒギンズ
     Jack Higgins/1929- イギリス生
 文庫初版:1987年6月20日 二見文庫
 初版時価格: 400円
 巻数:単巻
 品番:ヒ1-2
 管理人読了日:2012年
 映画化:未
 映画題名:
 映画主演俳優・女優:
 
 日本語DVD化:−
 

ヒギンズという作家の好きなものが、2つある。
船と雨、もしくは霧だ。

雨や霧はヒギンズの故郷イギリスにつきものなものだから別として、
船が物語の情景の一部として書かれることがしばしばだ。
そして、登場人物である主人公もそれらを好む。

ショーン・ディロンしかり、ポール・シャヴァスしかり。
本書は、ポール・シャヴァス・シリーズとして邦訳されている3冊のうちの1冊だ。


私はシャヴァスが大好きである。
実は、ショーン・ディロンより好きかもしれない。

何が好きってこのシャヴァス、
作中に登場する女に毎回裏切られるのである。(笑

いや、笑うのはかわいそうなのだが、
男に対しては酷薄で、仕事に対する姿勢はプロそのものなのに、
どこかついていない男なのである。
そこが、憎めない。

さて本書の内容を簡単に説明すると、
シャヴァスの専門は中国とアルバニアなのだが、
英仏海峡の沖合で溺死体が発見され、
シャヴァスは所属する組織、英国情報機関<ビューロー>から、
背後に潜む組織を探るよう命じられる。

シャバスはイタリアへ渡り潜入捜査を行い、
その結果、中国が陰で糸を引いていることが明らかになった。
そして、アルバニアを足掛かりにヨーロッパに浸透しようとしていることも。

これは「地獄の鍵」からの引用も足しているのだが、
今の西洋人がアラブ世界に浸透するのに苦労しているのと同じで、
中国人は西洋人のスパイとして通用しない。
中国は、ヨーロッパでの作戦のために、アルバニアを利用しようとしていた。
当時のアルバニアはアルバニアで、ソ連との関係が冷え切っており、
別の支援国が必要だった。


チャンネル諸島で九死に一生を得て、
また幾人かの友も味方につけて、
ローヌ河口で最後の死闘に臨むシャヴァス。

が、潜入捜査中に助けたインド人の娘は、
驚くべき変貌を遂げていた。

あとは、読んでのお楽しみ!


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