■2020年1月20日:ラス・カナイの要塞
原題:Bloody Passage (1974年 イギリス) | |
著者:ジェームズ・グレアム(ジャック・ヒギンズ) James Graham (Jack Higgins)/1929- イギリス生 |
|
文庫初版:1986年1月25日 角川文庫 | |
初版価格:420円 | |
巻数:単巻 | |
品番:赤 544-2 | |
管理人読了日:2013年6月18日 | |
映画化:未 | |
映画題名: | |
映画主演俳優・女優: |
|
日本語DVD化:− |
ラス・カナイ−−−アラビア語で恐怖の岬の意味を指す。
リビアにある牢獄のことで、あとがきによれば、実在したらしい。
(本書の上梓当時の話なので、カダフィ政権の転覆後は不明)
元特殊作戦の世界出身のオリバー・グラントは、
引退して物書きで生計を立てながら、南スペインで暮らしていた。
ところが、付き合っていた女性が実はマフィアとつるんでおり、
計略にハメられ昔の職業技術を駆使して、
ラス・カナイの要塞に潜入して救出作戦を行わなければならなくなった。
リビアといえば、レプティス・マーニャ(半円形劇場)のような
壮大なローマ遺跡が残る地だ。
フェニキア時代からローマ、その後の中世の地中海貿易の時代を経る間、
相当な数の沈船が、イタリアからリビアにかけて存在すると言われており、
グラントらは海中考古学の発掘作業を隠れ蓑として利用する。
物語中でもフェニキアの壺が引き上げられており、
(しかも、いとも簡単そうに描写されている)
驚いたことにこの作品の刊行当時は、そういった歴史遺物がその辺で売られていたという。
思わず欲しくなった。
ローマ文明が大好きなイギリス人である著者の作品ならではだが、
本書ではヒギンズ作品の女性の裏切り、裏切られのくどさもなく、
「鷲は舞い降りた」刊行直前の、脂の乗り切ったヒギンズの
エキサイティングな作品を楽しんでほしい。
関連記事:
■2019年11月23日:勇者たちの島
■2019年9月16日:謀殺海域
■2017年8月20日:復讐の血族・報復の鉄路
■2017年2月20日:地獄島の要塞
■2016年7月18日:真夜中の復讐者
■2016年3月21日:ヴァルハラ最終指令
■2015年5月30日:虎の潜む嶺
■2014年8月22日:非情の日
■2014年3月26日:暴虐の大湿原
■2013年11月11日:悪魔と手を組め
■2013年10月14日:鷲は飛び立った
■2013年7月27日:鋼の虎
■2013年4月23日:テロリストに薔薇を
■2012年10月5日:サンダーポイントの雷鳴
■2012年6月6日:サンタマリア特命隊
■2012年1月18日:鷲は舞い降りた