■2023年2月18日:エグゾセを狙え
原題:EXOCET (1983年 イギリス) | |
著者:ジャック・ヒギンズ Jack Higgins/1929-2022 イギリス生 |
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文庫初版:1984年8月31日 早川文庫 | |
第12刷時価格: 640円 (1999年12月15日) | |
巻数:単巻 | |
品番:NVヒ1-6 | |
管理人読了日: 2007年11月22日 | |
映画化:未 | |
映画題名: | |
映画主演俳優・女優: |
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日本語DVD化:− |
まず、4月に亡くなったヒギンズに黙祷を捧げたい。
前にも書いたが私は青春をヒギンズ作品と共に過ごしたので、
最近、新作にお目に書かれないため、ある程度予感はしていたが、
やはり哀しい。
ヒギンズ作品など読んでいると、そんなもの、と言われたものだが、
はっきり言って携帯電話がお友達になっている、
現代の若者と比べれば、比較にならないだろう。
本は心の友、といったものではないか。
本作品はフォークランド紛争が題材となる。
この紛争がなければシュペル・エタンダールなどただの駄作機だし、
この紛争がエグゾセを一躍有名にした。
エグゾセとはフランスのアエロスパシアル社が製造した航空機搭載対艦ミサイルで、
形式番号をAM39という。同社は他にAS30という空対地ミサイルなども製造しているが、
エグゾセを搭載するのが上述のシュペル・エタンダールで、
本家フランスでは航空母艦に搭載されており、
悪いがエグゾセを運搬する以外、これといって特徴のない航空機だった。
フォークランド紛争というのは知っての通り、
大英帝国の植民地だったフォークランド諸島を、
くれといってアルゼンチンが侵攻したのが発端だ。
はたから見ればどっちもどっちというわけだ。
ところが紳士の国、英国はそうはいかない。
バルカン爆撃機を長駆出撃させたことを始め、空母を2隻派遣した。
シーハリアーに搭載され、驚異的な命中率を発揮した、
サイドワインダーAIM-9Lが有名になった。
そして、駆逐艦が撃沈されたことから、エグゾセも勇名を馳せた。
ただ、アルゼンチンが保有するエグゾセミサイルには限りがあり
(これも有名な話だった)、
本作ではそれを入手するため、アルゼンチン側が裏工作する。
一方、英国側ではトニー・ヴィリアーズが登場し、阻止に動く。
ところが、トニーの元妻も登場し、
彼女もファーガソン准将によって、スパイ活動に参加させられるのだが、
なんとスパイ対象のモンテラ大佐と恋に落ちてしまう。
ここがヒギンズ作品の特徴で、敵側の主役もニヒルなヒーローに変えてしまうのだ。
願わくは史実を元にした小説の醍醐味を、皆さんにも味わっていただきたい。
そして、こんな話を聞いていて、天国でヒギンズがにやりとするところも見てみたい気がする。
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