■2020年12月6日:お注射の時間
腱鞘炎と指の関節炎が、そろそろお注射の頃合いだと訴えていた。
薬は効果あるのだが、効果は麻薬でラリって症状が緩和されている、
という現象に近く、治るわけではなかった。
指の関節炎の方は、右手の人差し指に痛みがあるのは煩わしいが、
左手首の腱鞘炎の方が、痛みとしては深刻だった。
去年あたりと比べれば、まだ病院に行かなくてももう少し持つだろう、
というレベルだが、もう一週間我慢するのはきつかった。
とはいえ、左手首の注射は、注射後どうなるかは既に経験済みだ。
だから、左手を先に処置してもらっても、
まだ右手が不便である、という方が状況は悪いと考えたのだ。
というわけで、真っ先に注射してもらうのは、右手の人差し指にしてもらおうと考えていた。
前回医師が痛くないよ、といっていたことを確かめたい気持ちもあったし、
手の平なら痛くないのではないかという予想もあった。
この時点で痛む指は、他に右手の中指、左手の小指があったが、
中指は今回注射すればもしかしたら一緒に治るかもしれないし、
左手の小指は手首の腱鞘炎の治療の際についでに治るかも!?
などと無理な期待を抱いていた。
病院に行くしばらく前、妻も寝違えたか何かで首が痛むとかいって、 彼女もARCOXIAをもらってきていたのだが、 その代わりにもっと効くからと、写真のVoltarenを買ってきてくれたので、 私も飲んだのだが、大差なかった。 |
というわけで、切れたARCOXIAの代わりに私も薬局に行ったのだが、 ARCOXIAもあるが同等の薬でこちらの方が少し安いし お得(5錠でTHB 200)だよ、 とその薬局の兄ちゃんがお勧めしてくれたのがこれ、TORCOZIA。 プロモーションとやらでマスクがおまけでひと箱ついてきた。 日本語の資料がなく不安だし、改めて病院で薬が出たので、 まだ飲んでいない。 |
それで、この日は皮膚科にも行くつもりで、10時にいつもの病院に向かった。 11/8のことだった。 実は耳の水疱の方もまた出来ていたのだが、こちらは今のところ何ともないので、後回しだ。 さて病院に着いて整形外科に向かうと、なんという混み具合か。 少なく見積もっても患者が30人はいたと思う。 世の中関節炎を患う人がこんなにいるのか。 まずは係員が電話で通訳に代わり、用事の目的を聞かれた。 係員がタイ語で医師の指定はあるかと聞いてくれ、 と電話機に向かって話しているのを聞いて、誰でもいいと答えた。 そして手早く診察室に案内されると、前回と同じ初老の医師、 ”ミスターお注射”が待ち構えていた。 要らん通訳もついていた。 通訳がいると、そいつに一から説明してやらないといけないので不便だ。 さらに、医師はそんなことを訊いてもいないのに、 「1から10までとして、どのくらい痛みますか?」 などと意味不明なことを訊いてくる。 1というのはどのくらいの痛みなのか? 医師はさすがに事情に通じており、左手の腱鞘炎のことも聞いてきたが、 このときは混乱するだろうと考え、指の話しかしなかった。 そして、医師はまた前と同じように私の指を引っ張ったり押したりして確認すると、 左手に関しては小指ではなく中指が原因だろうとのことだった。 私がどうでもよさそうに聞いていると、 察した医師はじゃあ注射しましょうか、と先を促してくれた。 ただ、どうする?両手の指ともいっぺんに注射するか? いやいや、注射してどうなるかわからない。 差し当たって次回は左手首の腱鞘炎の注射を考えていた私は、 右手の人差し指の注射をしてもらうことにした。 医師は座った姿勢のまま注射するのと、寝て注射するのと、 どちらがいいかと言って寝台を指し示してきた。 なるほど。そういえば診察室はかなり寒いし、 そのせいで注射の際にはリラックスしたほうがいいものの、 これでは緊張してしまうな、と考えていたところだった。 とはいえ、寝そべっていてはあまりみっともないので、 座ったまましてもらうことにした。 医師が言ったように、注射は大したことはなかった。 30秒くらい針を刺していたとはいえ、針が刺さるときの痛みしかなかった。 |
|
注射してもらった箇所。 1日くらい痺れているだろう、と言われたそばから痺れだした。 麻酔で感覚がなくなるのと同じ症状だった。 医師というのはそういうことを最初に言わないから困る。 やはり片腕ずつにしてもらって良かった。 感覚がマヒして会計でサインができなかったほどだ。 (中指でペンをつかんだ) 最初熱を持っているような感じがしたので心配だったが、 それでも、注射して1時間後にはしびれは消えた。 その後も痛みは残らなかった。 そして、関節炎の痛みもほとんど残っていなかった。 だが、1週間後の11/15には再予約を入れられた。 腱鞘炎の注射もしてもらいたかったのでちょうどいい。 この医師が好きになりだしてきていた。 ここまでで、11時になっていなかった。 |
さて、皮膚科の方だが、私は子供の頃からアトピー性皮膚炎を患っていて、 タイに来て大方は治っているのだが、それでもときどき発症することがあった。 そして、皮膚病というやつは、歳を経るにしたがって、 発生する場所や症状も変化する。 それで、今年の皮膚病は足にできていて、実は6月くらいからできていた。 そもそもマリーに引っかかれたり、 虫に刺されたりしたところが化膿したのかと考えていたのだが、 どうもそうではなく、タムシみたいになってきていて、 日本の皮膚科でもらった薬を塗っていたのだが、一向に治らなかった。 上の写真はその日本の皮膚科でもらった薬。 説明書と薬がそれぞれ対応するように置いた。 左(青)のが古くて、4〜5年前にもらったもの。 これで普通はタムシも治ってしまう。 それで、18年の秋ごろから顔に皮膚病ができだしたとき、 この薬では治らなかったので、薬が古くて効かなくなってきているものと考え、 今年一時帰国した際に新しい薬をもらってきたのだが、 そのときは「顔なので薬は少し弱くします」と言われ、 右の薬(緑)になったのだが、 こちらも一向に効かず、さらに今回の足の皮膚病にも全然効果なかった。 左の説明書の下部にある”ボチシート”というのは、白い薬で粘度が高く、 ツボに入った2つの薬は、効きが早くて透明なのだが粘度は緩いので (寝る前につけると寝ている間に落ちてしまう)、 組み合わせて使うのに最適な薬だ。 こちらは、古くなってもある程度の効果はある。 |
サミティベート病院の病棟を移動する。 左は内科、外科、整形外科、緊急病棟など。 右は眼科、歯科、皮膚科などが入っている。 見ての通り、ごった返している。 |
右の棟は棟内の移動にエレベーターを使用する。 このエレベーターがまた遅いのだが、入ったところだけではなく、 入って右の裏手にエレベーターがあるのを発見してそちらに乗ったところ、 そちらは揺れることが分かった。 皮膚科はこの棟の5F。 |
皮膚病を記事にするにあたって、困ったことがあった。 病気というからには、見れるのであれば見せなければ話にならないと思うのだが、 病気など気持ち悪いし、まして男の足など汚いだろう。 それで写真の掲載について悩んだのだが、結局載せることにした。 写真は左すねの右側。左側にもあったし、右の脛にもあった。 今回の足の皮膚病の症状としては、 従来の薬では一定のところまでは良くなるのだが、 それ以上は治らないようだった。 サミティベート病院の皮膚科は、妻も掛かっているし、 同僚で診察してもらった人の意見でも、あまりよくないような話を聞いていたので、 今まで来たことがなかったのだが、そろそろ我慢できない痒さになってきていた。 |
5Fからの眺め。 向かい側にRQ49があるのだが、この写真によれば ここにほねつぎと何らかのクリニックがあるらしい。 クリニックが何のクリニックで何階にあるのか知らないが、 現在このビルの2Fはがらんどうである。 以前は日本料理店やラーメン屋が入っていたのだが、 全て閉店している。 |
皮膚科に入り、診察券と保険証を渡すと、 受付のきれいで親切な女の子にパスポートの提示を求められた。 先に整形外科でも使ったはずなのだが、皮膚科は初診だからだろう。 ところが、今度は診察担当か、でぶとってぶっきらぼうな女が来て、 こちらもさきほども測定したにも関わらず、身長・体重・血圧・体温測定をさせられた。 それでも、診察室にはすぐに通してくれた。 さて、出てきた医者はマスクをしていたものの、 若いミック・ジャガーみたいな医師だった。 それで、どうしたんだい、と訊くのでまたしても通訳に事情を説明すると、 医師が患部を見せてくれというのでズボンの裾をまくった。 医師は手袋をした手でいくらか私の足をさすった。 彼は風呂上がりなどにローションを塗るか、と訊くので、 そんなもの塗ったこともない、と答えた。 男が足にクリーム塗ってどうする? 「ノンノン、ユーの病気の原因は完全に乾燥だね。 ミーの診断では、いくら薬を塗ったところで、 ローションを塗って乾燥を防がない限り、ユーの病気は治らないよ。 薬は出すし、ミーの薬を塗りこんでくれれば、いっときは治るかもしれないけど、 ローションで定期的に乾燥を防がない限り、無理だね。 患部そのものは、ミーの薬で1週間かそこいらで治ることを保証するよ」 私が持ってきた日本の薬は、医師は見ようともしなかったので、まったく意味がなかった。 さらに、薬は彼が出す薬を先に塗ってから、ローションを後から塗るのがいいらしい。 順番がおかしいと思って聞きなおしたが、順番は合っているとのこと。 うつる心配もないとのこと。 私は犬を飼っているので、そいつに引っかかれたり、 蚊に刺されたりした場合は関係はないのかと訊いた。 ただし、通訳は犬を飼っている下りは完全に除いて通訳していた。 医師は 「蚊に刺されたけりゃ、いくらでも刺されるがいいさ。 だが、虫刺されは関係ないね」と答えた。 通訳は、 「蚊に刺されたのは関係ないです」と通訳した。 私は、こいつらとこれ以上話をしても無駄だと判断した。 というわけで、さらに何か質問はあるかと聞かれたが、 もう用事は済んだと答えた。 |
|
今回もらった薬。 左は関節炎の飲み薬で、JAPROLOX。 一日3回、食後に飲むらしい。 右が皮膚科でもらった薬、BETNOVATE。 半年以内に使用するよう書いてある。 そしてここがポイント。 頼んでもいないのに容器を3つに分けてくれている。 自宅用、会社用、旅行用と分けておけば、忘れる心配もない。 この2つの薬のメーカーは同じところらしい。 家に帰ってさっそく皮膚病の薬を塗ったところ、 悔しいがすぐに痒みが消えた。 関節炎の薬も、左手首の腱鞘炎の痛みまで、随分緩和された。 但し、これは緩和されるだけだと思うので、油断はできない。 |
というわけで、この日の診療は12時前に済んでしまった。
費用の方だが、
整形外科がTHB 3,265.3
皮膚科がTHB 1,689
で、例によって会社からもらっている保険で実費の支払いの必要はなかった。
なおこの日のタイ・バーツのレートはTHB 1 = 約 \3.37だった。
関連記事:
■2020年11月8日:指の関節炎
■2020年10月31日:耳の水疱2
■2020年10月24日:指を曲げると痛いよ?
■2020年10月17日:耳の水疱
■2020年6月6日:今度は食中毒!?
■2020年5月28日:コロナ影響下の病院に潜入
■2020年3月22日:尿結石と射精障害
■2019年11月16日:PM2.5アレルギー
■2019年10月22日:腱鞘炎3
■2019年5月26日:今年の健康診断結果
■2019年1月14日:腱鞘炎2
■2018年12月23日:腱鞘炎
■2018年4月2日:妻のポリープ手術
■2018年3月11日:タイ人自殺願望者の心理
■2017年2月12日:タイの病院のずさんさ
■2016年3月7日:病院内の飲食店は利用しない方がいい
■2015年8月29日:タイの病院を探検
■2014年9月10日:妻が虫垂炎に罹る
■2014年6月16日:タイでの歯科急患はこちら
■2014年2月22日:タイで健康診断
■2012年8月21日:タイの病院
■2010年12月10日:海外療養費<歯科>の申請方法