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■2021年8月12日: 指の関節炎、レーザー治療

6/2に病院から電話があった(前回の脈絡はこちらを参照)。
レーザー治療にはTHB 4,000の料金が掛かるが、受けるか?とのこと。
私は「行くよ」と答えて電話を切った。

このあとも、何度も電話が掛かってきたりメッセージが届いたりした。
よほど貴重な装置らしい。

当日になって、思い悩んだ。
さて、レーザーとはどんな装置なのだろうか。
痛いのか、痛くないのか?

レーザーとは、私の勤務先にもあって、
プラスチックを焼き切るのに使っている。

不可視の光線だが、当然直視すると目に悪い。
燃えるのだから、触れたりすれば怪我をする。
もちろん、人体に使うようなレーザーなら、出力を落としているだろう。

それに、病院も何も言わなかった。
腱鞘炎の注射のように、痛むものなら痛いと言うだろう。
それでも不安だった。

まるで飛行機恐怖症と同じで、注射を打つ直前の気分だ。

レーザーといっても、色々な種類がある。
素人に説明しやすくするために、
赤外線のことをレーザーというところもある。


予約は6/6の14:20で、バムルンラードはうちから結構遠く、
コロナ禍とはいえ道路状況が分からないので、13:30に家を出ることにした。

妻に言ったか言ってなかったか忘れたのだが、
確か先週告げたはずだ。

それでも間違いがあったらいけないので、
念のため出かけに病院に行く、と声を掛けた。

彼女は洗濯をしていたので私が支度をしているのに気が付いていなかったのだ。
さらに、事情を聞いていなかったらしく、何の病気かと驚いていた。
やはり、私は話していなかったのだ。

出発する前に思いついてよかった。

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ランドマーク・ホテル
アソークより若い番号のスクンビットに来るのは久しぶりだった。
病院内にワクチンの宣伝が。
冗談じゃない。
誰がシノバックだのスプートニクだのを注射するものか。

今度のタクシーの運ちゃんは正統派で、
スクンビット大通りを一路バムルンラードに向かった。
それでも、13時前に病院に着いた。
料金はTHB 70弱(約 \250)だった。

今回も20Fは空いていたが、流されているビデオは例の美女ではなく、
見苦しいデブだった。

昼飯に食べたものを吐きそうだった。

時間になる前に呼ばれ、血圧や体重などを測定された。
実は、また体重が減っていた。

前の晩も帰りが遅く、パンとサラダだけだったし、
この日の朝は、食欲がなく、たいしたものを食べていなかったのだ。
ただ、この日は朝食後に一服しかしていなかったから、
不安感はそこから来ているのかもしれなかった。

14:20になると、係りの者が誰かを呼んだ。
呼ばれた患者らしきババァは、か細く何か返事した後、
なんと電話をし出した。

なんだこいつは、と思って見ていると、
やがて電話を終えたその女は、今来るからちょっと待ってくれ、といった。
なるほど、女は付き添いでどこかで遊んでいる亭主を呼んだわけだ。

くそ野郎、空いているとはいえみんな待っているんだぞ、
と感じながら睨んでいると、私の名前を呼ばれた。
ふふん、どうやら担当医が違ったようだな、と優越感に浸りつつ病室に向かった。


病室に通された瞬間、私の希望は無残に打ち砕かれた。

ここは注射室じゃないか。

ベッドの脇に掃除機のような見掛けの装置が置いてある。
恐らくこれがレーザーだろう。

とはいえ、アルコールパッドが置いてある。
よもや、レーザーの装置を使用する前に、注射をするなどと言い出すのではあるまいな!?
パニックに陥るときの直前に感じるような不安感が頭をもたげてきた。

まず看護婦にスモーク色のグラスを渡された。
これで目を保護するようにとのこと。
眼鏡の上からも着用可能だった。

そのうちに、女医が入ってきた。

そして、前回の通訳はだいぶ話が通じたので、
今回も受付で通訳はいるかと訊かれた際に、いると答えていたのだが、
来た通訳は部屋に入るなり、安全のためといってカーテンの後ろに隠れた。


通訳の行動に何の意味があるのかと訝しんでいると、
女医が通訳を無視してタイ語で話し始めた。

「レーザー光線は温かいです。
熱いと感じたら言ってください」

なるほど、やっと合点がいった。
やはり、レーザーは燃焼しているのだ。
熱があるということは、人体に影響がないように、出力を落としているのだ。

ようやく納得がいった。
途端に腹が減ってきた。
もう処置が始まってしまうので今は食べれないが、
帰ったら今日は食うぞ。

治療を開始する前に、アルコールパッドは使われた。
但し、注射はなかった。


痛みがあるところを女医と確認し合って、治療スタート。

女医が超小型の対戦車ミサイルの発射筒状のものを私の人差し指にあてがった。
これが一種のプローブなのだろう。

やはり、温かいというより、うっすら痛みに近い感触だった。
とはいえ、ほぼ痛みなど感じない。

ただ、自分の肌の感じ方に差があるようで、
それが手の甲や手の平を行ったり来たりする間に、度合いが変化した。

その度に女医に「熱いですか?」と訊かれた。

私は慌てて首を振るのだが、女医はかがんで作業しているため、
上目遣いの姿勢だった。

私はグラスをしているとはいえ、グラスの上下左右には隙間があるので
目を背けていたのだが、女医と目が合うたびに、
彼女はじっとこちらの顔色をうかがっていたらしく、どぎまぎした。

治療はまるまる10分くらい行われていた。

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これがレーザーの治療装置。 前回撮影した病院の窓外の光景、アップ。
屋根の上に別の家が建ててあったりする。

終わると、通訳が黄金バットのようにカーテンの向こうから現れて、
この治療は毎週受ける必要があります、と言った。

なぬ、そうなのか?

私は思わず今治療を受けた指を曲げてみた。
痛みはまったく変わっていなかった。

さらに、今までにリハビリを受けたことがありますか?
と訊かれたので、何のリハビリですか?と訊き返したところ、
「パラフィンで指を包みます。温かい」
と言って片方の手の平で反対の手の人差し指をくるんで、前後に動かした。

通訳も女性だったのだが、
私には何かいやらしい話をしているようにしか聞こえなかったので、
マッサージの一種かと訊くと、違う、リハビリだという。

ともあれ、予約が必要なので一旦受付に戻りましょうとのこと。


受付で、通訳ともう一度その話をした。
レーザーの治療は週一で必要。
リハビリの方は、保険が一日に2度は下りないので、別の日にした方がいいとのこと。

私の方は、週に2度は休めない、と言った。
すると通訳は、それならレーザーの治療を優先しましょう、と言った。

それと予約だが、次の週は土曜日が休みだったので、土曜日が良いと言ったのだが、
先生が土曜日は休みだとのこと。

そこで曜日は日曜日(13日)で妥協して、
診察時間だが、私は中途半端な時間はいやだから、
11時とか12時とか13時にしてくれと頼んだ。
そうすれば、病院内で昼飯を食うか、帰りに昼飯を買って帰れる。

通訳は了解したと言って離れたが、すぐに戻ってくると、時間は11:00に決まった。

料金はなんとTHB 3,670で、この日のタイ・バーツはTHB 1 = 約 \3.51だったが、
保険が利いて負担は0(保険の最高額は1日THB 4,000)。

家に帰り着いたときには、出てから2時間経っていなかった。
さらに、タクシーの料金も行きと同額でTHB 67だった。

帰りのタクシー車内にて、私は人差し指の第2関節を指定したのだが、
実は痛むのは第1関節のような気がしてきた。

妻にぼられているだけよ、と言われたが、
私はそうなのかどうか、治療してもらう場所も含めて、
もう一度だけ診察を受けてみるつもりだった。


6/13、2度目の診療だ。
早めに行けば早めに診てもらえるかも、と考え早めに出たところ、
10:30前に着いてしまった。

しかしこの日は少し混んでいて、呼ばれたのは11時を少し過ぎていた。
今回は、人差し指の先から指の付け根までをまんべんなく
レーザー照射してもらい、少し良くなったような気がした。

治療費は6/6と同じ、THB 3,670で出費はなし。
翌週20日に3度目の予約も取られた。
今度は時間は11:20だった。
少しずつ微妙に延長されるのが癪だった。

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Terminal 21。コロナのせいか、客が少ない。 こちらはS31 スクンビットホテル。
グッディオ(米の麺)の広告がうまそうだった。


ところが、1,2日するともう痛みがぶり返したので、
この病は恐らく毎日レーザー治療しないと治らないだろう、という感じがした。
そして、そんなことに毎回1万円以上支払えない。
保険が利くとはいえ、他の病や怪我で使えなくなる。

そんなわけで3回目の治療は、面倒だったのだが、
当日医師が具合が悪いと病院の日本人が
電話でキャンセルしてきた。

もっけの幸いだった。


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